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第八十七話 理玖side まだ温かい

Author: 白蛇
last update publish date: 2026-10-19 17:02:07

「山下の件、報告が上がりました。少し動いたようです」

 高遠希美のぞみの言葉に、理玖りくはパソコンから顔を上げた。

 時計が十九時半を回っている。

 窓の外には、すっかり暗くなった東京が広がっていた。

「何が分かった?」

「白川のシステムに関わっていた外部業者との繋がりは、やはりありそうです。ただ――」

 希美が手元の資料を一枚めくる。

「本人まで辿ろうとすると、妙に痕跡が薄いんです」

「どういう意味だ?」

「意図的に消しているのか、それとも最初から表に名前を出さないようにしていたのか。そこまではまだ」

「……面倒だな」

「はい」

 理玖は背もたれに身体を預けた。

 白川のシステム自体は復旧した。

 けれど、誰が何のために仕掛けたのかは、まだ見えてこない。

 その上、ここ数日、他の取引先への対応に追われ続けていた。

 デスクの端に置いたスマートフォンが目に入る。<

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